大学で教育職に就職するのって本当にやり方が変わってるというか、一般企業では聞かないような事情や経路で就職することがある。
なお、事務職のほうはよく知らないので、ここでは若手研究者が研究員とか先生とかになる話。
いきなり話ずれるけど、前にどこかの大学の先生が、電車内で迷惑行為をしたとかなんかのニュースがあった。
それに対して、大学の教授がそんなことを…とか言ってる人がいたんだけど、よく見るとその記事では大学の「教員」としか書いてない。
一般的なイメージはそういうものなのだろうと思うのだが、「教授」というのは職位で、ようするに部長とかそういうものなので、大学の先生(教員)すべてが教授ではない。
まあ、先生=教える立場にある職を「教授職」って言ったりするけどね。だから紛らわしい。
で、まだ続きがあるんだが、その後の報道によると、教員というか特別TA(ティーチングアシスタント)とかなんとか、そんな感じの”よくわからん”職位だった。
よくわからん、というのは、その特別TAとやらは、その大学が独自でおいてる職位だろうから。少なくとも俺が通ってた・勤めてた大学にはそんなんなかった。
なんだその特別TAって。教員…なのか??
TAというのは普通に存在する。大学院生が主にやるバイトなんだけど、これは教育の一端を担う役割があるので、教育の経験を積むことになる。そしてお金がもらえるので、よそでアルバイトする必要がなくなる。バイトに時間を取られず、自分の教育経験=実績になるので一石二鳥、という考え。
まあ実際には、そこまで高収入じゃないし、教育経験の実績と言われましてもねっていうのとかもあるんだけど、とりあえず建前……うん、TAの意義としてはそんな感じ。
で、特別TAというのは……知らん。ただ、「特別」とついているのでただのTAではないのだろう。
しかしこの、聞いたことがない、独自の職位を与えられるあたり、色々と察してしまう。。
博士課程では、修行年限が過ぎてしまったが学位が取れてない、つまり博士論文出せてない人が大勢いる。英語ではABD=All But Dissertation っていうらしい。
(余談だけど、論文を書くのはマジで難しい。想像の1万倍難しい)
学位がないとアカデミアの就職が難しい、というかほぼ無理。学位が応募要件だから。とはいえ一般企業に就職するのも色んな意味で難しい。でも働かないと生きていけない、研究も続けられない。修行年限過ぎてしまったので学生としてとどまることができない(満期退学する)ため種々の学割や学生免除のようなものは受けられなくなる。
そしてTAって通常、学生しか就けないんですよね。博士課程を満期退学してしまうとできない職業。
まあ、そんなところです。
教員や研究員の公募に出して選考を勝ち抜いた人もたくさんいる。
自分で資金獲得して、どこかの研究室に所属して研究員になることもある。資金獲得にも大抵学位が応募要件になってるけど。
研究室の先生がお金を持っているのでそれで雇ってもらうこともある。雇用形態は予算の都合にもよる。
俺のいた研究室では特別研究員とか支援研究員とか、なんかそんな名前の通常と違う研究員職があって、プロジェクト付きでもなく自分で研究費を持ってるでもない研究員、というのもあった。謎すぎる。
正直、大学の教員や研究員のうち、どのパターンが多いのかわからん。
本当に大学への研究職・教育職での就職って変わってるなあと思う。
もうひとつ、一般企業と違うなって思うのは、未経験者OKではない、ということ。
これからのポテンシャルより今までやってきたことをかなり重視されるので、やる気や熱意や元気だけじゃ駄目です。
まあそれはまた別の話。